スタッフブログ

STAFFBLOG 相模原市東林間 森下記念病院のスタッフによるブログです STAFFBLOG 相模原市東林間 森下記念病院のスタッフによるブログです

年末 vs 年始

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、眼科です。

 

突然ですが、皆様は年末と年始とどちらが好きですか?
年末はバタバタ、年始ゆっくりという方が多いのでしょうか?
かくいう私は圧倒的年末派です。
どうして年末派かと言いますと、あの静けさが大好きなのです。クリスマスが終わり、年始に向けて小休止と言わんばかりに街は急に静けさを取り戻す、あの瞬間がたまらない。
街は年末と年始で違った見え方がする気がします。年始はすっきりと青色、年末は深緑のイメージでしょうか。年始の青も好きなのですが、私には、やっぱり深い色が落ち着きます。

 

仕事を納めた後の忘年会(今年は感染対策で出来ませんが…)、皆、銘々の飲み方をし、勘定をすませ、居酒屋から出て行く。明かりの少なくなった年末の夜に、じゃあまた、来年も宜しくねという言葉が吸い込まれて消える。
1人になり、しんと静まり返った街を歩いていると、冷めた空気で酔っ払った頭が少しずつ覚めていく。ふと顔を覗かせる寂しさに、今年もありがとうございました、また来年も宜しくお願いします、とお礼を言って新年を迎える。その感じがたまらなく好きでした。

 

去年の暮れには、令和二年、まさかこんな年になるとは思いもよりませんでした。
すっきりとした青色には程遠く、曇り空はまだ続きそうですが、いつかまた晴れる事を信じて頑張っていこうと思います。

皆様もご自愛下さいませ。

冬の乾燥

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、2階病棟です。

 

最近朝は特に寒くなり、すっかり冬になってきましたね。
前回のすっかり秋ですね、と言ってからが早い…今年の天気は変な時期に暖かかったりしていたので、例年通りの冷え込みと言われてもこんな寒い?と思ってしまいます。

冷えてくると宿敵は乾燥ですね…
皮膚もカサカサ、今年は感染対策でより頻繁に手洗いを心掛けており、ますます手荒れ対策が大変です。
スタッフがハンドクリームを塗っている姿をよく見かけます。
みなさまも手洗いうがいに消毒・マスクに換気!
そしてハンドクリームもお忘れなく、保湿もお忘れなくお過ごし下さい。

 

流行語にもなりましたが、もう一度基本の3密(密閉・密集・密接)をさけ、みなさま冬を乗り越えましょう。

楽しいクリスマス会

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、保育所です。

 

寒くなってきましたが日頃、手洗い・消毒・マスクをしているから(?)なのか、まだ咳や鼻水が出ている子はいません。この調子で寒い冬を乗り切りたいです。

今年も保育所内はクリスマスの飾り付けをして、年内最後のイベント、『クリスマス会🎄』を行いました。

保育所クリスマス飾り保育所クリスマス飾り2

今年は腰みのとハイビスカス🌺のレイを付けて『バナナの親子🍌』を踊りました。
小さい子ども達が腰を振って踊る姿はとっても可愛いかったです💕

クリスマスダンス衣装

サンタさんがプレゼント🎁を持って来てくれましたが、2名以外大泣き😭でした💦

でも、楽しい一日を過ごすことが出来ました。

ある本の話題

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、医療福祉相談室です。

 

コロナ禍で1969年に翻訳された本でアルベール・カミュの代表作がベストセラーになっていると聞き、読んでみました。

「ペスト」です。

ペストといえば私にとっては大昔に流行した疫病というイメージでした。この本を読むと驚く程に現在世界中を恐怖と混乱の渦へと陥らせている新型コロナウイルスと似ています。もちろん致死率や医療の進歩は大きく違うのですが、人々はいつの時代も感染症という不条理を前にすると見えざる恐怖に振り回されてしまうようです。

相談室にも訪問看護や訪問リハビリから報告書が届くのですが、他者との接触を避けるため、サービスの利用を見合わせている、再開未定などの記載があると行くか行かないの選択を迫られているのも辛い判断ですよね。

まだまだ先が見えないコロナ禍ではありますが、インフルエンザの季節とも相まって、うがい、手洗い、マスクでなお一層の予防を心がける日々です。

慢性腎臓病(CKD)への当院の取り組み③
~腎代替療法(腎移植、腹膜透析、血液透析)選択外来について~

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。

 

当院では以下の3つの柱でCKD診療に対して取り組んでおり、本日は③腎代替療法選択外来についてご説明させていただきます。
①CKD保存期外来
②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携
③腎代替療法選択外来

 

③腎代替療法選択外来
開設の背景

  • 従来の医師の外来診察だけでの腎代替療法の選択肢提示には時間的な制約がある。
  • 医師に対する遠慮などから、十分な話し合いの下で患者さんとそのご家族が主体的に意思決定をしているとは言い難い状況にあることが想定される。

開設の目的

  • ライフスタイルや生きがいを尊重し、話し合いを重ねて共同で腎代替療法の選択ができるよう支援する。
  • 計画的な透析導入により心構えや、家庭や職場での役割を続けるための体制を整える準備ができる。
  • 自身で選択した治療は受容しやすく、セルフマネジメントを含めて前向きに治療に望めるようになり、治療成績を向上させる。

 

このような背景と目的をもとに、腎代替療法選択外来を開設いたしました。
腎代替療法選択外来は、CKDが進行し、1-2年以内に腎代替療法が必要となりそうな患者様に向けて、前々回のブログでご紹介した保存期外来と併せて開設した外来です。この外来の基本となる概念が共同意思決定:Shared Decision Making(SDM)であり、これについて詳しくお話しさせていただきます。

 

わが国の医療業界において20-30年前までは、治療方法の選択に関してパターナリズム(paternalism 日本語訳:父権主義)という概念が浸透していました。パターナリズムとは、強い立場にある者が弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することであり、臨床現場では強い立場の医師が患者さんの保護者的な役割で治療法決定が行われているという風潮がありました。この風潮は医師>患者さんという強弱の関係があれば成立していたと思われますが、次第に患者さんの意思が尊重されるべき、という問題点が浮き上がってきました。

 

この流れに対して、パターナリズムに代わり台頭した概念が患者自己決定であり、“インフォームドコンセント”や“インフォームドモデル”と称される概念です。これは、医療者側が医学的情報を提供し、“患者さん“が治療法を決定するモデルです。医師は治療法について患者さんに説明しますが、決定するのは患者さん本人であるということで、意思決定が分業型されています。この風潮によって、パターナリズムの時代に比べて患者さんの意思が尊重されるようになっていきましたが、患者さん自身の知識の習得具合や医療者との情報共有の不十分性などを原因に、意思決定においてまだまだ患者さんが脆弱であるケースも多々あり、患者さんの真意とは言えない事態に陥ることも見られました。

 

そこで登場してきた概念が、SDMです。これは、医療に存在する不確実性(どの治療法が個々の患者様にとって最良なのかが決まっていないこと)に対して、患者さんの生きがいや生活環境などの価値観、今利用できる医療の最善のエビデンスと情報、医療者の知識と経験を考慮しながら医療者と患者さんが協働で最善の治療方針を決定していく概念です。SDMでは医学的な見解やエビデンスは勿論のこと、さらに医療者の経験、そしてなにより患者さんの価値観や背景を十分に考慮することが特徴です。この過程を踏むことで、患者さんの満足度、自己管理能力、日々の生活、治療成績が改善することが報告されており(Helping people share decision making. A review of evidence considering whether shared decision making is worthwhile: https://www.health.org.uk/publications/helping-people-share-decision-making)、加えて、医療者と患者さんの信頼関係を強固にすることも期待されます。

 

医療技術は日々進歩しており、治療法の選択肢は増えていく一方で、患者さんごとに異なる多様な価値観を考慮して満足のいく治療を継続し、治療成績を向上させ、より豊かな生活が送れるように支援することの重要性は昨今増してきています。当院では腎代替療法選択外来を開設するにあたり、この概念はとても重要であると考えました。開設以降SDMに基づき十分に時間をかけて腎代替療法選択外来を行っており、実際に当院でSDMを介して腎代替療法を選択され、透析を開始されている方々は比較的満足されて治療を継続し、セルフマネジメントも習得されている印象を受けています。

 

当院では常勤腎臓専門医3名、透析専門医4名の体制に加えて透析看護認定看護師、慢性腎臓病療養指導士、腹膜透析認定指導看護師、理学療法士、栄養士、薬剤など多角的に介入を行い、腎臓病・腎不全に注力する病院としての体制を強化しています。当院は相模原市に位置しますが、相模原のみならず、すぐ近隣の町田市、大和市、座間市などの範囲からの患者様も通院されています。引き続き、この地域の患者様が豊かな生活を送れるように支援できるよう、努力を続けてまいります。

慢性腎臓病(CKD)への当院の取り組み②
~CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携~

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。

 

前回お伝えしたように、当院では以下の3つの柱でCKDに対して取り組んでおります。

①CKD保存期外来
②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携
③腎代替療法選択外来

 

今回は、②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携について解説していきます。

 

まずは、CKD診療にあたっては腎臓専門医の早期介入が重要となることを前回にもお伝えしていますが、その内容をこれまでのいくつかの報告を交えて少し詳しくお伝えします。

 

CKD対策の評価 -年齢調整透析導入率は低下したが、透析導入患者数減少は未達成― 若杉三奈子, 成田一衛. 日腎会誌 60: 41-49; 2018.

日本腎臓学会誌で紹介されているこちらの研究では、2002年に慢性腎臓病(CKD)が国際的に定義されたのち、2004年以降に日本腎臓学会発信のCKD対策が浸透してきていること、2008年に厚生労働省から「今後の腎疾患対策のあり方について」が発表されたことなど、全国的にCKD対策を進めてきた結果として新規透析導入者数が減少したかを調査しています。この結果、高齢化の要因があるため透析導入率は男性では横ばい(女性は減少)でしたが、年齢調整透析導入率は全体で低下傾向にあるという結果でした。これには病診連携によるCKDの早期発見・早期治療例の増加、CKD治療中断例の減少、生活習慣改善によるCKD進行抑制が導入率の低下に寄与していることが考察されています。

 

Longer duration of predialysis nephrological care is associated with improved long-term survival of dialysis patients. Jungers P, et al. Nephrol Dial Transplant 16: 2357-2364; 2001.

この研究ではフランスで透析導入となった1057人を対象に、透析導入前の腎臓専門医の通院期間を6か月未満、6か月から3年未満、3年から6年未満、6年以上の4つのグループで導入時の状態と導入後の生命予後を比較しています。結果は、透析導入時に血圧や貧血の管理は腎臓専門医への通院期間が長いグループで良好となっていました。さらに、腎臓専門医への通院期間が長いほど、緊急透析導入が少なく(→計画的な導入により身体的負担が少なく、入院期間が短い)、透析導入後3か月後、1年後、5年後の生命予後も良好という結果でした。

 

Ideal timing and predialysis nephrology care duration for dialysis initiation: from analysis of Japanese dialysis initiation survey. Yamagata K, et al. Ther Apher Dial 16: 54-62; 2012.

わが国で行われた研究のなかでも、腎臓専門医への紹介から透析導入までの期間と透析療法開始1年後の生存率の関連が調査されています。日本で透析導入した患者9,790人を対象として分析が行われ、様々な因子(併存疾患など)を考慮しても、透析導入に至る6か月以上前に腎臓専門医に紹介された患者のグループで、有意に生命予後が良好でした。

 

これらの結果から、CKD進行抑止は勿論のこと透析導入後の生命予後改善のため、早期から腎臓専門医による教育的介入の意味を含めてなるべく早めの段階から、かかりつけのクリニック等での診察に併せて腎臓専門医の診察を受けることが望ましい、ということがわかるかと思います。さらに付け加えると、早期腎専門医の介入は、透析導入後のQOL(Quolity of Life)や精神健康度の上昇にも関わっていることが報告されています。

 

当院では、かかりつけの先生方からの紹介の過程がなるべくスムーズかつ煩雑にならないように、そしてご紹介後にどのようなスタイルで連携して患者様を診察していくかの方針をたてやすいようにCKD連携パスを作成しました。

 

これは従来の情報提供書(紹介状)とは少し異なり、現在の状態確認や合併疾患、併診形式の希望などをチェック項目や決められた書式を用いて、よりスムーズに患者様を腎臓専門医擁する当院とかかりつけの先生方が連携をとれるように工夫したものになっております。地域の開業医の先生方や腎臓専門医を擁さない医療機関にお配りをし、またホームページ上からダウンロードして印刷していただくことも可能になっています。

 

当院では腎臓専門医の常勤3名(+非常勤1名)体制で、月曜日から土曜日まで当院の診療時間内であれば、いつでも紹介受診が可能です。CKDを抱える患者様にとって、よりよい人生を送っていただくことが出来るように、お気軽にご紹介、ご相談をお待ちしております。

慢性腎臓病(CKD)への当院の取り組み①
~CKD保存期外来について~

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。

 

今回から3回にわたり、慢性腎臓病(CKD)に対する当院の取り組みについてご紹介します。

 

皆様は慢性腎臓病という言葉を聞いたことがあるでしょうか。慢性腎臓病(CKD)とは3ヵ月以上持続するすべての腎臓病を指します。現在、我が国の1,330万人の方がこれに当てはまると考えられ、20歳以上の8人に1人は腎臓病と推測されています。このCKDの厄介なところとして、一度悪化した腎機能が元の腎機能に戻りにくいこと、そして腎機能障害がかなり進行した状態になるまで症状が出にくいことが挙げられます。そしてCKDが進行すると透析療法や腎移植が必要な末期腎不全に至り、患者様の負担が大きくなります。

 

昨今、このCKDの進行を防ぐことが我が国全体の課題としても取り組み始められており、内閣府の経済財政運営と改革の基本方針2020の中で、慢性腎臓病の予防と重症化予防の推進が掲げられています。
(内閣府:経済財政運営と改革の基本方針2020について)
当院の位置する神奈川県においてもCKDの取り組みがホームページ上で公開されています。
(令和元年度神奈川県慢性腎臓病(CKD)対策連携協議会審議結果)

 

腎不全治療に注力している当院においても、現在CKDの早期発見、早期介入、進行抑制に対する体制を強化して取り組んでいます。そこで、CKDに対する当院の取り組みの3つの柱について説明させていただきます。

 

①CKD保存期外来

②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携

③腎代替療法選択外来

 

①CKD保存期外来について
開設の背景

  • CKDは自覚症状に乏しく、病識が乏しいことが多い。
  • 一度悪化した腎機能が元の腎機能に戻りにくいことが多く、特効薬や即効性のある治療が無く、長期にわたり病気に向き合う必要がある。
  • 医師の診察のみでは時間的制限がある。
  • 腎臓の働きや、ご自身で出来る管理について理解することが、CKDの病態進展を予防する重要な手段である。

 

開設の目的

  • CKDの早期治療、進行抑止を図る。
  • 多角的な職種による介入により、患者様のセルフマネジメント力(ご自身で身体を管理する能力)を向上させる。

 

このような背景と目的をもとに、CKD保存期外来を開設いたしました。

実際には、人間ドッグや健康診断で腎機能や尿検査で異常を指摘された方や、近隣の医療機関からCKDでご紹介いただいた患者様に対して腎臓専門医が早期から介入し、詳細な採血や尿検査を実施し、現状を把握し、診察させていただきます。また、透析看護認定/慢性腎臓病療養指導看護師等の積極的な介入により、腎臓の働きのご説明や生活環境を把握させていただきながら、どのように患者様と腎臓を守っていくかを考えていきます。そのほかにも、栄養士により個々の患者様に合わせた適切な栄養バランスや食事の工夫に関するアドバイス、理学療法士による運動についての情報提供を行っていきます。

 

このように専門性をもった職種で多角的に介入することで、大切な腎臓を患者様と共に守っていくことを目標にしています。

 

次回ブログでは②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携についてお話しさせていただきます。