理念
2019年6月、私が院長に就任する際に、新たな病院の門出として、3つの意味を込めて、この理念を掲げました。この理念について説明させていただきます。
“私たちの病院は”が意味するところは、森下記念病院は“誰かの病院”ではなく、“全スタッフの病院“であり、スタッフ一人ひとりが当事者意識を持つという意味です。「誰かがやってくれるから」「自分の意見では変わらない」「自分のせいではない」ではなく、共に働くスタッフのため、そして当院に訪れる患者様のために、当院はどうしたら良くなるか、という視点と責任をスタッフ一人ひとりが、それぞれの立場や部署で常に持つことで患者様とスタッフにとって満足度の高い病院にしていきます。
“圧倒的なチーム力で”とは、文字通り、圧倒的なチーム力を醸成し、当院の推進力とすることです。医療は常に進歩し続け、昨日の最新の医療機器や技術は、今日の最新でなくなる時代です。医療機関として、技術や機械を更新し続けることは勿論重要である一方で、時代の進歩や変化に対して常に変わらない当院の強みを考えた時に、部署や役職の垣根を超えた圧倒的なチーム力であると感じました。何百人というスタッフを抱える大学病院や基幹病院では全スタッフが協力してチーム力を磨き上げることは難しいかもしれませんが、当院の規模であるからこそ、この圧倒的なチーム力を強みに出来ると確信しております。このチーム力で必要な時に素早く方向転換ができ、外部環境の変化に適応しながら、地域医療に貢献したいと考えています。
最後に“患者様に温かい医療を提供します”の意味するところをご説明します。当院の機能として、病気を治すため、防ぐための医療を提供することは大前提であると考えております。しかし、高齢化が進む昨今ではそれに加えて当院が注力している腎不全や透析のように長期にわたり病気と向き合いながら生活を送る必要のある患者様が多くいらっしゃいます。そのようなご病気を抱える方々にとって、当院での通院や入院加療を通じて、少しでも明るく、人生に楽しみを持っていただけるように“温かい”という言葉を使いました。当院には、先代から“患者様を家族と思い接する”という行動指針があります。この行動指針は長期にわたり実践され、すでにスタッフの現場での重要な判断軸となり浸透していると感じております。この指針を継続し、皆様に心の通った温かい医療を提供できるよう尽力してまいります。