生活スタイルと運動
森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、リハビリテーション室です。
先日、放射線科の更新で運動の話が紹介されましたので、今回リハビリ部門として少し掘り下げた話をと、バトンを引き継ぎました。
コロナ禍の外出自粛で運動不足という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
運動不足の弊害としては、肥満や生活習慣病のリスク増大や思考力低下、うつ病発生リスク増大、免疫力の低下などなど心身ともに影響があります。
以前のように外出のできない、こんな時期だからこそ運動は重要です。
しかし、いざ始めるとなると運動はなかなか大変なものです。
そこで今回はMETs(メッツ)のお話をさせていただこうと思います。
METsとは安静に座っている状態を1 METsとしたときの運動の強さの単位です。
この値を使うことで運動量やカロリーの計算ができたりするのですが、
下記の表のような生活動作からスポーツ、仕事時の運動の強さも示されています。
METs |
生活動作(例) |
3.0 |
普通歩行、電動自転車に乗る、階段下り、子供の世話(立位) |
3.5 |
床掃除、風呂掃除、台所仕事、楽に自転車に乗る、軽い荷物運び |
4.0 |
階段上り、入浴、通勤、洗濯物を干す、ラジオ体操 |
6.0 |
ジョギング |
① METs・時 = METs × 運動時間(h)
② 消費カロリー(kcal) = METs × 時間 × 体重(kg)
仮に1日のうちに掃除30分、洗濯30分、食事の支度30分×3、スーパーへ買い物60分、入浴30分をこなした人がいたとします。
この人の運動量を上記の表と①の式を使い計算すると
掃除(3.5 METs×0.5時間)+洗濯(4.0METs×0.5時間)+食事の支度(3.5 METs×0.5時間×3回)+買い物(3METs×1時間)+入浴(4.0METs×0.5時間)=14METs・時
となります。
厚生省の示す健康維持のための基準では3 METs 以上の運動を1週間合計して23 METs・時+行うことが推奨されていますので、1日に14METs・時も動いているこの方は余裕があるといえるでしょう。
健康づくりのための身体活動基準 2013 (概要)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xppb.pdf)
このように、自分の生活スタイルに合わせて運動量を決めれば、そんなに大変ではないかもしれません。
この時期、テレワークに切り替わった方も多く、自宅での座り作業が多くなった、通勤による移動がなくなってしまった、という方はプラスで運動ができると良いですね。
また、②の式を使えば消費カロリーの計算もできますので、興味のある方は使ってみてください。
更に詳しいMETsの表が国立健康・栄養研究所から出ていますのでそちらも参考にしてみてください。
身体活動のメッツ(METs)表
(https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf)
最後に、自宅でも簡単にできる運動をご紹介させていただきます。
出典:福岡市 よかトレ 座って行う足元気体操https://ssl.city.fukuoka.lg.jp/yokatore/wp-content/themes/underscore/images/DL/ashigenki_2.pdf
運動不足を感じている方はこれから始めてみてはいかがでしょう。
ちなみに自重でのスクワットは5.0METsとのこと。
できそうなものから、できる範囲で行ってみてください。