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BLOG第13回 内臓脂肪と皮下脂肪

2020.06.25

内臓脂肪と皮下脂肪

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様。
こんにちは。放射線科です。

 

外出自粛や在宅勤務が続く生活のなかで、家の中にこもっていると楽しみが食べることばかりになってしまうのは私だけでしょうか?
さらに運動不足が重なり、体重計を横目に見ながらゴロゴロする今日この頃。
こんな日が続いていると、やっぱり気になるのが内臓脂肪と皮下脂肪。
いずれも体脂肪のことですが、蓄積する場所が異なります。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こすリスクが高いのは、「内臓脂肪」です。
中年になると基礎代謝が落ちてくるので供給と消費のバランスが悪くなり、なかなか消費せずに貯蓄ばかりです。

 

人間の身体の2割前後は、脂肪でできています。
例えば、体重70kgで体脂肪率が20%の人なら、体脂肪量は14kg。その中で大半を占めるのが、皮下脂肪です。一方の内臓脂肪は、肝臓などの周りにべったりとついているようなイメージがありますが、実際は胃や腸の周りにある大網脂肪や腸間膜脂肪がその代表です。
女性は皮下脂肪が多く、男性は内臓脂肪がつきやすいことがわかっています。

 

生活習慣病と強く関連しているのは「内臓脂肪」です。
内臓脂肪と皮下脂肪の大きな違いは代謝の特性です。内臓脂肪は皮下脂肪に比べると、個々の脂肪細胞が小さく代謝活性が高いため、脂肪の合成や脂肪の分解が非常に活発におこなわれます。なので内臓脂肪は食べ過ぎによって増えていきます。逆に食事を制限した場合は、まず内臓脂肪から消費されます。つまり溜まりやすく取れやすい。取れやすいのですが、活発な脂肪細胞組織が増えれば、当然それに伴って周りの環境にも大きな影響を与えます。

よく「内臓脂肪」は普通預金、「皮下脂肪」は定期預金なんてことをいいますが、本物の預金になるならどちらも歓迎なんですが、そんなこと言っていられませんよね。

皮下脂肪については、外部からの圧力に対するクッションや、寒さ対策の役割を担っているので、ある程度は必要だと思いますが、皮下脂肪が異常に増えると見た目だけでなく膝や腰など整形外科的疾患のリスクが高まってきますのでお気をつけ下さい。

 

内臓脂肪の量は、一般的には腹部CTスキャンを用いて測定されます。
当院でも自費にてファットスキャン検査(CT検査)を行うことができます。
内臓脂肪面積、つまり身体の断面積に占める脂肪の面積が100cm2を超えると内臓脂肪型肥満となります。
これは、体積に換算すると3kg、つまり1.5ℓのコーラのペットボトルが2本分の内臓脂肪が蓄積していると考えればわかりやすいでしょう。
ウエスト周囲径でいうと、男性なら85cm、女性なら90cmが内臓脂肪面積100㎝に相当します。
しかし、ウエスト周囲径だけでは皮下脂肪が多いのか、内臓脂肪が多いのかの区別はつきません。

 

お腹がポッコリ出てきて気になる方は、内臓脂肪が異常に蓄積している可能性がありますので、ファットスキャン検査をして、内臓脂肪の蓄積具合をチェックしてみてはいかがでしょうか。