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BLOG第200回 血液検査の結果にはどうして時間がかかるの?

2023.08.31

血液検査の結果にはどうして時間がかかるの?

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、検体検査課です。

 

皆さまが来院してから診察前に採血をされた時、基本的に結果が出るまで待ち時間が一時間程ありますよね。
血液検査でなぜそんなに待ち時間が長いのか、疑問に思ったことはありませんか?
私も幼い時、採血の結果が出るまでの時間に、一時間も何が行われているのかすごく気になりました。

 

今回はそんな血液検査についてのお話をご紹介させて頂きたいと思います。

 

採血管の種類は様々あり、検査項目によって採血管が変わってきます。
例をあげると

  • 基本的に酵素や脂質、電解質などを測定できる生化学スピッツ
  • 赤血球や白血球、血小板の大きさや数、濃度などを測定できる血算スピッツ。
  • 血液が固まるまでの時間を調べる凝固スピッツ。
  • リアルタイムの血糖値を測定できる血糖スピッツ。
  • 過去1~2ヶ月の血糖値を測定できるHbA1cスピッツ。

などがあります。

 

血算とHbA1cは採血したらそのまま分析装置にかけ測定します。結果は5分程度で出ます。

 

次に血糖と凝固です。
血糖と凝固の採血管は遠心分離機で5~15分間回転(遠心)させ、血漿と血球に分離させ血漿部分を分析装置で測定します。結果は20分程で出ます。

 

最後に生化学です。
生化学も血糖や凝固と同様5~15分間遠心分離をするのですが、その前に血液が固まるまでの時間が必要です。
この生化学が固まるまでの時間は人によって個人差があり、基本的には30分程かかってしまいます。
血液検体が凝固し遠心、血液検体を血清と血餅に分離をしたらようやく血清部分を分析装置にて測定することができます。
この結果値が出るまでには20分程かかります。
もし検査結果にて異常値や前回値からの急激な変化などがあった場合は再検査をするため、更に20分程かかってしまいます。

 

この長い過程を経て検査を行っているため、最大1時間程のお時間がかかってしまうのです。

 

勿論患者様それぞれの症状によって検査の種類や項目は違いますので、検査に必要な時間も変わってきます。
その為待ち時間が患者様によって短かったり長かったりするかもしれませんが、決して検査を忘れているわけではありませんのでご了承ください。

 

採血の結果が出るまでのお時間はロビーのテレビを見たり、読書をしたり、待ち時間を上手に使いながらお待ち頂ければと思います。