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BLOG第38回 脂肪肝について

2020.09.21

脂肪肝について

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは。超音波課です。

 

朝夕は涼しい風が吹き、短い秋の訪れを感じられるようになりましたね。
今年の夏は、猛暑や長雨などで体調を崩された方も多かったのではないでしょうか?
コロナ太りなど、よく耳にしますが、超音波検査をしていると、よく出会う超音波所見に脂肪肝があります。
今回は、脂肪肝について、少しお話ししたいと思います。

 

脂肪肝

脂肪肝

正常肝臓

正常肝臓

上の画像は下の画像と比べ肝臓が白くなっているのが、おわかりになると思います。
これが脂肪肝の大きな特徴です。

 

我が国では、1980 年以降、脂肪肝が急激に増加し、全国の人間ドックで 1984 年には 10%以下だった脂肪肝が 1995 年には 25%を越え、最近の大規模調査では 27.9%と報告されています。人間ドックでは、最も頻度の高い異常所見のひとつとなっています。

 

病理学では、従来30%以上の肝細胞に脂肪滴を認めるものを脂肪変性と定義されています。超音波検査では30%以上の肝臓内脂肪化を有する場合に脂肪肝と診断され、この診断精度は良好であることが報告されています。

 

脂肪肝の原因には大きく分けてアルコール性と非アルコール性があり、近年は非アルコール性の脂肪肝、そして脂肪肝から進行する肝臓病(NAFLDもしくはNASHと呼ばれます)が大変注目されています。この原因の多くは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などメタボリックシンドロームがもたらすことが考えられています。肥満や糖尿病の人は、インスリンの働きがにぶくなり肝臓に脂肪がたまりやすくなるといわれています。

 

肥満体型ではない人でも、運動不足と不規則な食事で、たった2~3キロ体重が増えただけで肝臓へ中性脂肪がたまる可能性があるとも報告されています。

 

また、肝臓などにたまった脂肪は遊離脂肪酸として放出され、運動のための直接的なエネルギー源になり、1週間に250分以上、1日に換算して30分以上の運動を続けると、肝臓にたまった脂肪が減りやすくなるそうです。

 

通常の脂肪肝は、適切な治療を受け、食生活の見直しや適度な運動を取り入れることで改善されるとされていますので、秋の風を感じながら散歩など、軽めの運動習慣や食生活の見直しを始めてみてはいかがでしょうか?

 

withコロナ時代を元気に乗り切りましょう。