安心して透析治療を
森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、医療相談室です。
ソーシャルワーカーは、透析導入になった方や透析導入が近くなった方に
医療費助成制度や福祉サービスのご案内をさせていただいています。
患者さんのなかには、病状やこれから始まる透析治療についての不安や心配とともに、
医療費について心配されている方が少なからずいらっしゃいます。
医療費の負担が軽減されることをご説明すると、
「よかった」や「ありがたいね」とおっしゃる方もいます。
普段、当たり前のようにご案内している制度ですが、
先日、全腎協(一般社団法人 全国腎臓病協議会)の会報を読んでいて、
今の医療費助成制度や福祉サービスがあるのは、
これまでの患者さん達の努力があったからだということを、
あらためて思い出しました。
約50年前、透析治療は健康保険の対象にはなっていましたが、
医療費自己負担が無いのは会社員や公務員が加入する健康保険の本人のみで(当時は0割負担)、
会社員の家族や国民健康保険の人は自己負担があり(当時はそれぞれ5割と3割負担)、
その額は月10~30万にもなったそうです。
大卒初任給が4~5万円の時代ですから、相当な負担であったことが分かります。
その後、患者さん達の国への請願活動などによって、透析患者さんが身体障害者(腎臓機能障害者)として認められ、
身体障害者福祉法に基づく更生医療が透析に適用され公費負担になるなどして、今の制度があります。
今は、患者さんのお住まいや年齢、収入によって自己負担の違いはありますが、最も負担が大きい方で月2万円です。
患者さんが少しでも安心して透析治療を受けられるよう制度のご案内をするとともに、
これまでの患者さん達の努力があったことを心に留めておかなくてはと思った機会でした。