精度の高い血液検査を行うためには?
森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、検体検査課です。
私は健康診断などで自分の採血の結果を見て、
「この項目が少し増加しているな」
「こっちは少し減少しているな」
といったように数値の若干の変化でも気になってしまう事があります。
患者様にも結果の微妙な増減が目についてしまう方が少なからずいらっしゃるのではないのでしょうか。
実は採血時の状態によって、正確な結果を出せなくなってしまう場合があります。
より精度の高い結果を出すために、患者様に意識していただきたいことを今回ご紹介していきたいと思います。
まず一つ目は、「絶食」です。
今までせっかく食事のバランスなどに気を遣っても、採血の直前に食事をしてしまえば血糖値や中性脂肪の数値が上昇してしまうため、正確な結果が得られません。採血前には10時間程の絶食をしていただくことで、より正確な数値となります。
二つ目は、「パンピング」です。
パンピングとは手を握ったり開いたりする動作を指します。
採血中にパンピングをするとカリウムが筋肉中から漏れ出し、実際のカリウムの数値より高く見えてしまうことがあります。
また、採血中に手を強く握りすぎてしまうと同じようにカリウムが上がっているように見えてしまうため、採血中はパンピングをせず、手を軽く握って頂ければと思います。
最後に、「動かないこと」です。
針を刺されることは誰でも嫌ですし、怖いと感じる方が半数以上だと思います。
ですが針を刺した時に腕や身体を動かしてしまうと針が血管からずれて刺し直すことになったり、針先が血管壁に当たり、溶血と言って赤血球が壊れて中に入っている成分が漏れ出てしまいます。
溶血が起こるとカリウムやLD、ASTなどの数値が高く見えてしまい、検査結果に影響が出てしまうのです。
今回は精度の高い血液検査を行うために患者様に意識していただきたいことをご紹介致しました。
よりよい検査結果を出すために皆様ご協力の程、よろしくお願い致します。