お知らせ一覧

BLOG第138回 薬が無い!!

2022.06.24

薬が無い!!

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、薬剤課です。

 

天海祐希の映画「老後の資金がありません!」が少し前に公開されていましたが、現在、医療業界で深刻な不足問題が勃発しております。

 

それは

「今、必要な薬がありません!」

問題です。

 

ことの発端のひとつにジェネリック(後発医薬品)を生産する製薬会社の不備が数件発覚し、いくつかの薬が出荷停止となったことにあります。国の医療費削減対策として、ジェネリックの使用割合の目標を8割と設定したことで、生産能力を向上させるべく届出と異なる製造方法によって薬を増産する手段を用いたそうです。この結果、製造上の不備が発生し、本来含まれないはずの成分が混入された薬が市場に出たため副作用が出る事例もありました。このような不備が発覚した薬が厚生労働省後発品推奨事業によってシェアの大多数を占めていた場合、回収となれば世の中から薬剤が不足してしまいます。

 

また、国家財源を考慮した医療費抑制のためには仕方のないことも十分考える必要はありますが、政策により薬価(薬の値段)が年々引き下がるので、会社側も利益の少ない薬剤を生産中止せざるを得ないケースも出てきます。

 

消化酵素剤、消化管運動薬、注射用抗菌薬・・・。
これらは後発品メーカーだけではなく先発品メーカーでも同様の話です。
売れれば売れるほど赤字になる、もしくは会社の存続のために利益を確保しづらいのであれば、いくら製薬会社が使命感をもって薬剤を製造販売していても限界があります。

 

そんな中、当院では知恵を振り絞って患者様に適切な投薬ができるよう努力しております。薬剤の変更を不服に思われる患者様もいらっしゃると思います。
苦肉の策と言ってしまえばそうなのですが、その中でも患者様に対して、よりよい対策を講じておりますのでご了承いただきます様、よろしくお願いいたします。