自粛生活頑張りましょう
森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。
4月7日に発令された緊急事態宣言のなか、外出を自粛され今までの生活と全く異なる日常を過ごされている方が
多いと思います。
私がこのブログを書いている4月29日時点ではまだ緊急事態宣言の継続か否かについて発表はされていません。
現在、政治家と専門家が必死に政策決定についての検討をしていることと思います。
さて、政策決定とまではいきませんが、私も院長職を務めていると、ほぼ毎日何かしらの意思決定を下しています。
もちろん院長でなくても、私たちは日常生活のなかで大きな判断から些細なことまで、色々な意思決定を繰り返しています。
この意思決定についてですが、私がアメリカで経営学修士を取得する際に“Managerial Decision Making”という授業を受講し意思決定について、体系的に学ぶ機会がありました。
全16回の授業内容をすべて紹介することは難しいですが、内容としてはベイズの定理という統計学を用いた方法、Even swaps法という合理的なトレードオフによる意思決定、直感を使ってよいケース、等々多岐にわたる考え方を学びました。
しかし、この授業のなかで、とても基本的で重要なことは”何が問題なのか、何のためにその意思決定をする必要があるのか“
をしっかりと定義することであると紹介されました。
例えば、あるアパートでエレベーターが遅いという苦情が管理会社に寄せられた場合、この解決策としてエレベーターのモーターを取り換える、エレベーターをもう一台取り付けるなどの解決策を考案して意思決定することが考えられます。
しかし、この”エレベーターが遅い“という問題を熟考すると”エレベーターの待ち時間が煩わしい“ということに起因していることにたどり着ければ、エレベーターの前に鏡を取り付ける、音楽を流す、など費用を抑えつつ問題を解決できるのです。
たしかに、問題に直面した時に、確実に時間をかけて”何が問題なのか“を考えることよりも、どの選択肢を取るべきかということに悩みすぎていることは多かったことを思い出しました。
緊急事態宣言の延長か否かに関して、
“何が問題なのか、何のためにその意思決定をする必要があるのか”と考えると、
感染者を増やさないこと、病床数が足りなくなること、休業補償に関すること、経済を再開する必要があること、
など様々なポイントが挙げられるかと思います。
全国民が納得する選択を取ることは難しいと思いますが、少なくとも、自粛生活を頑張っている、
医療を含めた必要不可欠な仕事を頑張っている方々に対して、少しでも未来に希望の持てるような発信を
期待したいと思います。