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BLOG第119回 献腎移植って?

2022.01.20

献腎移植って?

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、医療相談室です。

 

当院は腎不全が進行した際に、腎代替療法選択外来を受診していただき、納得される療法選択をしていただけるよう心がけております。療法選択外来において、私たち医療相談室も費用や手続きに関してご説明する機会があるのですが、今回は先日質問を受けた内容で、献腎移植(亡くなられた方から腎臓を提供していただく移植)の費用や手続きについて簡単にご紹介いたします。

 

まず、献腎移植には日本臓器移植ネットワークへの移植希望登録が必要であり、希望される方は、移植外来を受診していただく必要があります。
献腎移植に関して概ね問題が無いようでしたら組織適合性検査として、血液型とHLA(白血球の血液型)を調べます。これらの準備としてかかる費用は、移植ネットワークへの登録料として初回は30,000円、1年毎の更新料が5,000円(現在献腎移植の待機は平均15年ほどかかります)、その他に組織適合性検査にも約30, 000円程度がかかります。
そして、臓器提供者が見つかり実際に腎移植となった際にはコーディネート経費としてネットワークへ¥100,000を支払います(臓器移植の費用は、基本的には健康保険の適用となっており、受けている公費負担制度により、自己負担額が異なります)。

 

生活保護や住民税非課税の際は免除される費用もありますが、それでも献腎移植における患者様の費用の負担は少なくありません。私たちのように実際に患者様に費用についてご説明する立場としては、可能であれば患者様方の負担が改善されていく事を願いますが、医療費全体を考えると複雑なところです。少なくともこのような事実が広く周知され、適正化に向けて議論されることが引き続き必要と考えます。

 

さいごに私事ですが、運転免許証を取得した27年前に神奈川県腎・アイバンクに提供登録をしました。

 

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