腎臓リハビリテーションとは②
皆さまこんにちは。
リハビリテーション室、理学療法士(腎臓リハビリテーション指導士)です。
以前紹介させていただいた「腎臓リハビリテーションとは」の続きの話をさせていただきます。
BLOG第109回 腎臓リハビリテーションとは①
さて、前回は、腎臓リハビリテーション(運動療法)がCKD患者様に有益である可能性が高いにも関わらず、運動が制限されてきたというところまでお話いたしました。
その理由としましては、1990年代頃まで、透析導入原疾患の40%程度は糸球体腎炎が占めておりました。糸球体腎炎やネフローゼ症候群などにおいて、活動性の高い時期の運動は、腎血流量の減少や蛋白尿の増加を招くことから、運動制限が治療の一環とされてきました。
しかし、その後、運動時の蛋白尿の増加は一過性に認めるが、一時的であること1)、腎機能への影響も認めないこと2)が示されました。
また、近年では、透析導入原疾患は糖尿病性腎症が1位、腎硬化症が2位となりました。その両疾患の原因となる糖尿病や高血圧、血糖管理には運動療法の効果が確立されていること、さらに、CKD患者様における高齢化、フレイル・サルコペニア増加により、活動量・身体機能維持が求められるようになりました。
これらの背景から、運動制限から運動推奨へと大きなパラダイムシフトを向かえました。
2018年には、世界で初めて、日本腎臓リハビリテーション学会から「腎臓リハビリテーションガイドライン」が発刊され、保存期、透析期において運動療法を提案、もしくは推奨すると明記されました。
現在はまだ議論されているところではございますが、運動療法による保存期CKDに対する腎保護効果により、腎代替療法へ移行延長が期待されています。
まだまだ、発展途上ではありますが、これからの盛り上がりに期待です。
では、実際に、具体的にどのような運動が推奨されているのでしょうか。
次回、簡単に行えるものをご紹介させていただきます。