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BLOG第315回 慢性腎臓病(CKD)と栄養の力 ~亜鉛とビタミンC、そして栄養課の取り組み~

2025.01.27

慢性腎臓病(CKD)と栄養の力 ~亜鉛とビタミンC、そして栄養課の取り組み~

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、検体検査課です。

 

今回は、私たちの病院で患者様の健康を支えている「栄養課」の取り組みをご紹介いたします。
栄養課の活動は、普段目にすることは少ないかもしれませんが、患者様一人ひとりの健康を支えるうえで欠かせない役割を果たしています。

 

特に慢性腎臓病(CKD)の患者様にとって、食事は治療の重要な一部です。
本日は、「亜鉛」と「ビタミンC」についてのお話も交えながらお伝えします。

 

<亜鉛は体を支える重要なミネラルです。>
亜鉛は、私たちの体内でさまざまな酵素を助ける重要なミネラルです。
例えば、免疫力を高めたり、傷を早く治したりする役割があります。

しかし、CKDの患者様では亜鉛が不足しやすいことが分かっています。
腎臓の機能が低下すると、亜鉛が体にうまく吸収されなかったり、逆に排泄されすぎたりしてしまうためです。
亜鉛が不足すると、味覚障害による食欲が低下したり、免疫力が低下したり、傷の治癒が遅れたりすることがあり、病気の進行リスクを高める可能性があります。

栄養課では、患者様の血液検査の結果をもとに、どのように亜鉛を補うべきかを丁寧にアドバイスしています。
牡蠣や牛肉、魚介類など亜鉛を多く含む食品を、無理なく食事に取り入れる方法を一緒に考えています。
患者様の好みや生活スタイルに合わせた提案を心がけていますので、安心して相談していただけます。

 

<ビタミンCも腎臓にとって大切です>
次に、ビタミンCについてです。
ビタミンCは抗酸化作用を持ち、体の中の「サビ」を防いでくれる重要なビタミンです。
この抗酸化作用は腎臓にも良い影響を与えると考えられています。

一方で、ビタミンCを過剰に摂取すると、腎結石のリスクが高まる可能性があります。
そのため、CKDの患者様には、適切な摂取量を守ることが大切です。

栄養課では、柑橘類やキウイ、ピーマンなどの食品をバランス良く取り入れる方法を提案しています。
さらに、ビタミンCを無駄なく摂取するための調理法についてもアドバイスを行い、「食べる楽しみ」を大切にしながら健康を支えています。

 

亜鉛やビタミンCは、CKDの管理において重要な栄養素です。
そして、それを支える栄養課の取り組みは、私たち病院全体のチーム医療の一部です。
栄養課はもちろん、医師、看護師など、多くの職種が力を合わせて患者様を支えています。

 

「食事で健康を支える」という取り組みは難しそうに思えるかもしれませんが、病院全体でしっかりサポートいたしますので、安心してご相談ください。
患者様の健康を守るために、これからも全力で取り組んでまいります!

 

院長先生も以前のブログでCKDと亜鉛についてお話ししています!!!
こちらも併せて読んでみて下さい!!
BLOG第219回 亜鉛とCKDと高血圧①
BLOG第220回 亜鉛とCKDと高血圧②
BLOG第221回 亜鉛とCKDと高血圧③