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BLOG第256回 高齢者における腹膜透析診療のポイント①

2024.05.20

高齢者における腹膜透析診療のポイント①

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、院長です。

 

最近、夏を感じる暑さになりはじめ、我が家の犬にとっては日中のお散歩が厳しい時期となってきましたが、
個人的には寒さよりも暑いほうが体調が良いので好きです。

 

これまで当ブログでは高齢の方にとって利点の多い腎臓病の治療である腹膜透析について紹介し、
またその問題点などもお話してきました。

 

今回は高齢の方の腹膜透析診療のポイントについてご紹介します。

 

当院は腹膜透析の患者様を相模原市、大和市、町田市の地域の中で数多く診療している医療機関のひとつです。
常日頃から患者様おひとりおひとりの腎機能や体力を含めた予備能や生活習慣、ご家族のサポート体制などを考慮しながら、個々の患者様に合った方法で治療を提供してきており、オーダーメイドのような治療が可能なことも腹膜透析の利点であると考えております。

腹膜透析の患者様の年齢層としては、若い方もいらっしゃれば、80歳90歳台の方もいらっしゃり、幅広い年齢層の方々を診療しています。
最近の傾向としては、やはりご高齢の方が増加している傾向にあり、そのような年代の方々に注意しながら診療しているポイントが、最近読んだ論文とほぼ同じであったことから、その内容を紹介いたします。

 

米国腎臓学会(ASN)の発行する臨床医向けオフィシャルジャーナルである
Clinical Journal of American Society of Nephrology誌に掲載された高齢者の腹膜透析についての報告です。

How I Treat Elderly Patients with Kidney Failure with Peritoneal Dialysis CJASN 19: 115-118, 2024

 

高齢腹膜透析患者さんの診療ポイント

  • 腹膜透析の方法と介助
    APD(自動腹膜透析)が患者さんと介助者にとって日中の自由時間を確保しやすく、生活を豊かにする可能性があります。(※当院HP腹膜透析についてにて詳しく説明しておりますのでご覧ください。)
    当院では2つの種類のAPD機械が選択可能であり、自宅での治療状況を遠隔で把握できる体制が整っています。また、ご家族のサポートが得られる場合には、患者さんご本人でなく介助者による腹膜透析の遂行も考慮されるべきであり、治療成績は多様な尺度があるものの、介助者による腹膜透析は決してほかの治療法に比べると悪くはないようです。

  • インクリメンタルPD
    これは、透析を始めるタイミングにおいて、なるべく少ない手順(透析バッグの交換)で腹膜透析を開始することにより、治療や身体への負担を減らす手法です。この方法は、まだ残存腎機能と呼ばれる患者さん自身の腎機能(自尿)が確保されていることが必須となります。患者さんの予備能にあわせて、腎不全による症状が出ないように個人個人にあった治療方法や治療回数を調整します。

 

すこし話が長くなってしまったので、また続きは次回にお伝えします。