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STAFFBLOG 相模原市東林間 森下記念病院のスタッフによるブログです STAFFBLOG 相模原市東林間 森下記念病院のスタッフによるブログです

睡眠と感染症の関係

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、院長です。

 

緊急事態宣言は先日解除されましたが、
外出自粛の生活をしているうちに私は
早寝して十分な睡眠時間を確保する
生活リズムになっています。

以前から「風邪をひかないように早く寝よう」
という習わしを聞いたことがあるように、
睡眠は感染予防に有効であると考えられ、
多くの方はそのような行動をとった
経験があるのではないでしょうか。

 

しかし、実際に
「睡眠と感染の関連について科学的に検討した報告」があるのをご存知ですか?

 

今回はそんな日常の行動に関わる、睡眠と感染症の関連についての2016年の研究
Association of Insufficient Sleep With Respiratory Infection Among Adults in the United States. JAMA Intern Med. 2016 Jun 1;176(6):850-2.
をご紹介します。

 

そもそも睡眠障害または習慣的な睡眠不足にある人の割合はアメリカで5000-7000万人いるのですが、
そうした睡眠不足がどれくらい病気のリスクに関わっているかについては未だよくわかっていない部分も多いのです。
基礎研究や実験の範囲では、睡眠不足が感染症に対する抵抗力となる重要な免疫系に悪影響を及ぼすことを示すデータはありますが、実際にヒトで追跡調査を行った研究というのは多くありませんでした。

 

そこで、この研究では、睡眠時間と風邪、インフルエンザや肺炎を含む感染症の発生確率との関連を調べています。

 

アメリカのNational Health and Nutrition Examination Surveys (NHANES)上で2005年から2012年に登録されていた米国人22,726人(平均年齢46.2歳)を対象としてデータを抽出し、分析しています。平日の典型的な睡眠時間、医師から睡眠障害と診断されたことがあるか、睡眠障害があることを医師に相談したことがあるか、過去30日間の風邪、インフルエンザや肺炎を含む感染症に罹患したかの有無について統計的手法を用いて関連性が検討されています。

 

結果としては、以下の通りです。まず、調査対象者の睡眠時間の割合は、1晩で5時間以下が13.6%、6時間前後が23.0%、7~8時間が56.3%、9時間以上が7.1%でした。睡眠障害の診断を受けたことがある人は7.1%で、医師に睡眠障害があると相談したことがある人は25.0%でした。

 

対象者において、睡眠時間が7-8時間の人と比較して、
5時間以下の人は過去30日間に風邪や感染症にかかった割合が高いことがわかりました。

一方、睡眠時間が6時間前後、9時間以上の人には、
風邪や感染症にかかりやすい関連性は見いだされなかったということです。

その他、睡眠障害と診断を受けたことがある人や、医師に睡眠障害を報告したことがある人も、
風邪や感染症を報告する可能性が高い傾向があることがわかりました

 

ここで気を付けたいのは、この研究は、既存のデータから抽出して行われたものであり、
適切な睡眠時間をとれば風邪が予防できる、という因果関係を言い切ることのできるデータではないということです。

 

言い換えれば、
「いつも5時間しか寝てないよ!」という人が
「風邪や感染症を予防するために今日から8時間寝よう!」
と思って実行した際に、必ずしもそれで予防できるわけではない、
ということです。

 

「5時間しか寝られない生活をしている人」は、きっとそれだけ仕事や日々の生活が忙しいでしょうし、
その分、外と他人と接触して活動しているかもしれません。
反対に、「毎日しっかり7-8時間寝られている人」というのは、比較的時間に余裕がある生活をできていることでしょう。

 

体感的にはやはり普通の人は睡眠不足になると仕事のパフォーマンスも落ちますし、
なんだか体調を崩しやすいような気がします。
そういう意味では、「なるべく風邪や感染症にかかりたくない」という方が
十分な睡眠時間をとるということは妥当な戦略であると思います。

 

新型コロナウイルス感染対策の一環にも十分な睡眠は提示されています。
十分な睡眠を確保して、体力を維持して健康な生活を送ることを心がけていきたいと思います。

感染と放射線といじめと

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、

こんにちは。

今回は放射線科からお届けいたします。

 

 

昨年末に中国武漢で発生した新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、

瞬く間に世界中で流行してしまいました。

 

しかし、歴史を見ても人類は世界的な感染症を何度も経験しています。

 

例えば、13世紀には十字軍などの移動で広がったハンセン病は、

感染力は決して高くないものの、当時は感染経路が解からず遺伝病と誤解されたり、

感染者は人里離れた場所へ隔離されたり、療養所に入れられたりしました。

 

14世紀にはペストがモンゴル軍や交易によって広がり、感染が広がると、

ペストはユダヤ人が井戸に入れた毒薬が原因だとのデマが流れ、

南ドイツを中心にユダヤ人の迫害が起こりました。

 

コレラ、黄熱病、梅毒、結核など時代により、いろいろな感染症が発生しましたが、

感染症が広がると、人が持っている差別や偏見が浮かび上がります。

 

感染症は人の理性を奪います。

それは現在においても同様です。

 

最前線で奮闘している医療従事者を称える人々がいる反面、

その家族や本人を誹謗中傷する人々もいます。

人間とはなんなのでしょうか。

 

感染は、三つに分けられると思います。そしてそれは人々を蝕んでいきます。

  1.  人体への感染:発熱・倦怠感・痛み・呼吸苦
  2.  心への感染:不安・恐れ・恐怖・祈り
  3.  社会への感染:偏見・無知・差別・猜疑心・迫害・暴力・恐怖心の伝播

 

実は、コロナウィルスより人間の方が恐ろしい存在なのかも知れません。

 

 

東日本大震災の福島原発事故で被災し、疎開した子供たちが放射能や被曝という

心無い言葉で虐められたことは記憶から消えていません。

虐めた人たちは忘れても虐められた人たちは決して忘れません。

でも、危険と分かっていても、未来の日本のためには、

原発の処理だって誰かがやらなければなりません。

 

宇宙戦艦ヤマトの主題歌に

「誰かがこれをやらねばならぬ 期待のひとが俺たちならば」

(作曲:宮川 泰 作詞:阿久 悠)

という歌詞があります。

 

危険を顧みず原発処理の最前線に立つ人たち、

COVID-19に立ち向かい一人でも多くの人を助けようとしている医療従事者たち、

そして心配をしながらもそれを支え励ます友人や家族。

 

みんな頑張っています。

どうか皆さんも応援してください。

 

 

自粛生活頑張りましょう

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。

 

4月7日に発令された緊急事態宣言のなか、外出を自粛され今までの生活と全く異なる日常を過ごされている方が

多いと思います。

私がこのブログを書いている4月29日時点ではまだ緊急事態宣言の継続か否かについて発表はされていません。

現在、政治家と専門家が必死に政策決定についての検討をしていることと思います。

 

さて、政策決定とまではいきませんが、私も院長職を務めていると、ほぼ毎日何かしらの意思決定を下しています。

もちろん院長でなくても、私たちは日常生活のなかで大きな判断から些細なことまで、色々な意思決定を繰り返しています。

この意思決定についてですが、私がアメリカで経営学修士を取得する際に“Managerial Decision Making”という授業を受講し意思決定について、体系的に学ぶ機会がありました。

全16回の授業内容をすべて紹介することは難しいですが、内容としてはベイズの定理という統計学を用いた方法、Even swaps法という合理的なトレードオフによる意思決定、直感を使ってよいケース、等々多岐にわたる考え方を学びました。

しかし、この授業のなかで、とても基本的で重要なことは”何が問題なのか、何のためにその意思決定をする必要があるのか“

をしっかりと定義することであると紹介されました。

例えば、あるアパートでエレベーターが遅いという苦情が管理会社に寄せられた場合、この解決策としてエレベーターのモーターを取り換える、エレベーターをもう一台取り付けるなどの解決策を考案して意思決定することが考えられます。

しかし、この”エレベーターが遅い“という問題を熟考すると”エレベーターの待ち時間が煩わしい“ということに起因していることにたどり着ければ、エレベーターの前に鏡を取り付ける、音楽を流す、など費用を抑えつつ問題を解決できるのです。

たしかに、問題に直面した時に、確実に時間をかけて”何が問題なのか“を考えることよりも、どの選択肢を取るべきかということに悩みすぎていることは多かったことを思い出しました。

 

緊急事態宣言の延長か否かに関して、

“何が問題なのか、何のためにその意思決定をする必要があるのか”と考えると、

感染者を増やさないこと、病床数が足りなくなること、休業補償に関すること、経済を再開する必要があること、

など様々なポイントが挙げられるかと思います。

全国民が納得する選択を取ることは難しいと思いますが、少なくとも、自粛生活を頑張っている、

医療を含めた必要不可欠な仕事を頑張っている方々に対して、少しでも未来に希望の持てるような発信を

期待したいと思います。

 

 

新型コロナウイルス感染拡大で懸念される医療崩壊について

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。

 

今回は新型コロナウイルス感染拡大で懸念される医療崩壊について、当院の体制を含めてコメントさせて頂きます。

 

医療崩壊とは「安定的・継続的な医療提供体制が成り立たなくなる」状況のことで、今回の新型コロナウイルス感染症に関しては医療を提供するために必要な人や物資が絶対的に不足することを指します。それでは医療崩壊が起こるとどうなるのでしょうか?

 

①感染者用の病床が足りなくなる

  指定感染症に指定された新型コロナウイルス感染症は 5 段階のうち二類感染症として扱われています。本来、指定感染症に感染した患者は感染症指定医療機関にある感染症病床へ入院しますが、平成31年4月1日時点で条件を満たす病床数は全国で 1,800 床ほどしかありません。国が主導となって一般病床でも新型コロナウイルス感染症患者を受け入れができるような体制の調整を始めていますが、日本医師会総合研究機構が算出した東京都のみのピーク時予測感染者数 (入院患者) である約 20,000 人には及んでいません。また、人口あたりの重症患者を受け入れる集中治療室 (Intensive Care Unit: ICU) の数も欧米に比べ少なく全国で 6,500 床程度であり、ピーク時にはこの数を超える重症患者が出るおそれがあります。軽症者であれば指定されたホテルで療養するという試みも既に始まっています。

 

②医療機器が足りなくなる

  新型コロナウイルス感染症は呼吸器感染症であり、自力で十分な酸素を取り込めなくなった場合に人工呼吸器を使用することがあります。この人工呼吸器の数が世界的に不足しており、医療機器メーカーだけでなく、自動車や重工業メーカーも製造に着手しています。また、人工呼吸器では対応できなくなった場合、肺でのガス交換を介さずに血液中へ直接酸素を供給し二酸化炭素を除去する人工心肺装置を使用しますが、この装置も不足することが懸念され国内でも増産する見通しとなっています。

 

③医療従事者が足りなくなる

  新型コロナウイルスに感染した人や感染した疑いがある人は病院へ行きます。つまり、病院にいる医療従事者は新型コロナウイルスに感染するリスクが必然的に高くなります。そこで、医師や看護師をはじめとする医療従事者の多くが新型コロナウイルスに感染してしまうと十分な医療が提供できない、すなわち医療崩壊に陥ることになります。

 

④十分な治療が受けられないケースがでてくる

 イタリアなどの感染者の急激な増加を認めている国や地域では、実際に医療崩壊が起こってきています。その爆発的に増加する重症患者数に対して、集中治療を行うか・人工呼吸器を使用するかどうか判断するための倫理指針も出されています(Ezekiel J Emanuel et al., (2020) “Fair Allocation of Scarce Medical Resources in the Time of Covid-19” N. Engl. J. Med., In press. doi: 10.1056/NEJMsb2005114)。アメリカでもイタリアの事例に沿った治療方針に従っているのが現状です。今後、日本でも感染者数が増え続けると欧米のように命の選択をせざるを得ない状況がやってくるかもしれません。

 

それでは医療崩壊を防ぐために私たちにできることは何でしょうか。

①「外出自粛」の重要性

新型コロナウイルス感染症から自分を守るだけでなく、これ以上感染者数を増やさないためには外出は最低限にとどめることが重要となります。

 

②予防の意識を高めること

マスクは正しく着用する・手洗いうがいをする・不特定多数の方が触れる場所はこまめに消毒するなどを徹底すれば十分な予防効果が得られます。ちなみにマスクを着けるときは鼻から顎まできちんと覆い、鼻の形に合わせてワイヤーを折り、現在枯渇している資源を正しく、有効に使うことが大切です。

 

さいごに

この未知のウイルスには確固たる情報の蓄積がまだまだ不足しており、情報が錯綜し世界中が手探りで対応している状況です。このままの状況が続く限り、経済が停滞することで大きな損害が出ることは明白であり、自粛を続けるか、自粛を解除して経済を回すかの論争も聞かれ始めました。もちろん、このウイルスへの対応策に明確な答えがない以上は、今のところこの議論にも答えはありません。しかし、現在の緊急事態宣言が出ている現状においては、感染拡大防止に対してやれるべきことは徹底してやることに尽きるのではないかと思います。当院においても対応策(当院の新型コロナウイルス対策についてはこちら→https://www.morishita.or.jp/wp/info/2020/04/87)を徹底していきます。そして、現在当院では感染された方、感染を疑う症状の方の診察や治療は行っておりません。これは、国が調整を始めている感染者用の病床数確保の拡大ということに関しては協力できていないのが実情です。しかし、当院には腎機能が低下している患者様が多く、その中でも透析をされている方は通院を見合わすことはできません。透析を受けている患者様に感染した場合、重症化しやすいこと、そしてさらなる感染者の拡大が懸念されており、現在の限られた医療資源と病床数を圧迫してしまう可能性が高いと言えます。このことから、当院では新型コロナウイルス感染者の診療という直接的な協力はできませんが、感染者を、そして重症感染者を増やさないという側面で、医療崩壊に至らないように協力していきたいと考えております。

電話面会サポートの紹介

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、こんにちは。

 

今回は当院が新型コロナウイルス対策として行っております、

「電話面会サポート」についてご紹介いたします。

 

当院では現在、新型コロナウイルス感染対策としまして、基本的に一切の面会を禁止としております。

その中であっても、ご自身だけでは電話が困難な入院患者様に対しまして、病棟スタッフの補助を行いながら、また、当院の電話をご利用いただき、ご家族様との電話での会話が出来る体制を整えました。
診療体制の関係上、ご利用は3階療養病棟の入院患者様に限らせて頂きます。時間などいくつか条件はございますが、可能な限り柔軟な対応をしていきますので、ご希望の方はスタッフにご相談ください。

 

詳細はこちら↓↓↓

お一人での電話が困難な3階療養病棟入院患者様との電話面会サポートについて

 

その他にも当院へ何かご要望などございましたら、

お問い合わせフォームhttp://www.morishita.or.jp/wp/contactへご連絡ください。

可能な限り対応できるよう検討させていただきます。

当院の新型コロナウイルス対策

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、はじめまして。

第一回目のブログは院長が担当します。

 

第一回目の内容ですので、明るい未来の話をしたかったのですが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大し、緊急事態宣言が発令され、医療崩壊の懸念もされている中で、まずは当院全体としての新型コロナウイルス感染の対応について取り組んでいることをお伝えさせていただきます。

 

当院のホームページのお知らせにも一部記載されておりますが、現在当院では下記の対策を講じております。

  1. 入院患者様の面会禁止
  2. 外来患者様の病棟への立ち入り、およびラウンジと売店の使用禁止
  3. 全ての受診患者様への発熱及び呼吸器症状に関する事前問診
  4. 透析患者様の出入り口と外来患者様の出入り口の区分け
  5. 透析患者様へのお食事の提供を中止
  6. 少しでも疑われる症状のある場合の隔離透析の実施
  7. 院内の消毒と換気の徹底
  8. スタッフの勤務前の検温、マスク着用、頻回な手洗い、手指アルコール消毒の徹底
  9. スタッフの時差出勤、昼食休憩時間の分散
  10. スタッフの感染対策Webセミナー受講
  11. 院内会議の開催延期や座席数の調整
  12. 電話診療による処方箋の発行

当院の感染対策一覧はこちらから↓↓↓

https://www.morishita.or.jp/wp/info/2020/04/87

 

当院では免疫力が一般の方に比べて低下しやすいとされる透析患者様が多く通院・入院されていること、陰圧室や呼吸器などの設備に限りがあること、またコロナウイルスのPCR検査が施行できないことから、現在新型コロナウイルス感染が疑われる症状をお持ちの患者様の診療は行うことが難しい状況です。しかし、感染拡大防止に努め、当院で出来る医療を可能な限り安定して供給することで、何とか地域に、そしてわが国の医療崩壊が起きぬように貢献していきたいと考えております。

 

皆様のご理解とご協力のほど、何卒よろしくお願い致します。

森下記念病院 病院長  森下 将充