尿検査について
森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは。検体検査課です。
殆どの方は健康診断などで尿検査をしたことがあるのではないでしょうか?
今回は尿検査について少しお話させていただこうと思います。
尿検査とは、尿中の蛋白や糖などを調べて、様々な病気やその兆候を知ることが出来る検査です。
尿中の蛋白は腎臓の病気、潜血は結石や腎炎など、糖は糖尿病関連、
ウロビリノーゲンは肝臓の病気の可能性など検査項目によって色々わかることがあります。
もちろん他の要因もありますが、早期発見に大切な検査なんです。
検査項目として、
- 尿蛋白
慢性腎臓病、腎炎、尿路感染症など腎臓や尿路等の病気発見の手がかりになります。
高熱が出た時の熱性蛋白尿や起立性蛋白尿、一過性の疲労などで陽性になることがあります。 - 尿潜血
膀胱炎、腎臓や尿管の結石など尿の通り道に異常があると、尿の中にわずかに赤血球が混じることがあります。
前立腺炎や泌尿器系の悪性腫瘍などでも陽性になることがあります。 - 尿糖
糖尿病、腎性糖尿などでも陽性になります。尿糖が陽性でも糖尿病とは限らず、血糖値などによって判断する必要があります。 - 尿ウロビリノーゲン
急性・慢性肝炎や胆管結石など肝臓や胆嚢の疾患を疑います。確定診断には血液一般検査、生化学検査などが必要です。 - 尿ビリルビン
肝炎、肝硬変などの肝臓のトラブルや胆石症などが考えられます。 - 尿ケトン体
下痢、嘔吐など胃腸の消化吸収のトラブルが起こったり、糖尿病や甲状腺の病気の可能性もあります。熱がある時、ストレスや過度なダイエットでも陽性になることがあります。 - 尿pH
酸性やアルカリ性のどちらに偏っていてもよくありません。しかし、食べたものの影響で一時的に異常が出やすいです。継続的にアルカリ性の場合は膀胱炎などの尿路感染症が考えられ、酸性の場合は糖尿病や痛風などが考えられます。発熱や下痢をしている時も酸性になります。 - 尿沈渣
尿の沈殿物を顕微鏡で見る検査で、「赤血球」「白血球」「上皮細胞」「円柱」などの成分が増加していないかを調べます。腎臓や尿路の診断が主な目的ですが、泌尿器以外の疾患が影響することもあります。
まずは毎日するおしっこの観察をしてみて下さい!
尿の色が赤かったり、褐色だったり、濁っていたり…
尿の量が多すぎたり、少なすぎたり、頻尿だったり…
尿のにおいがいつもより気になったり…
病気だけでなく、体に不調をきたしている可能性はあります。
気になる症状があれば病院に来て相談してみて下さいね!