スタッフブログ

STAFFBLOG 相模原市東林間 森下記念病院のスタッフによるブログです STAFFBLOG 相模原市東林間 森下記念病院のスタッフによるブログです

IMAGINE

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは医事課です。

 

新年も明けましたがコロナ感染は収束するどころか再び感染拡大傾向になり、緊急事態宣言となっています。
コロナ感染拡大の以前より、色々な意味で世界は混沌とし、その度合いを深め、良くなるどころか分断を生み、人間の利己的で偏狭な部分が目立つようになっていたような気がします。差別や貧困の無い世界にならないものかと思っても、自分の考えが是であると信じて疑わない考え方や、独善的な権力者による統治、既得権益により動きがとりにくい状況など、何かを変えることは難しいと虚無感を感じることもあります。
しかし、その一方であいかわらず平和で未来がある世界でもあり、新しい命が生まれ、無垢な赤ん坊の泣き声や子供の笑い声が聞こえる世界でもあります。

 

ルイアームストロングの「What a Wonderful World」やジョンレノンの「IMAGINE」のような世界であって欲しいと思わずにはいられません。もしジョンレノンが生きていれば80歳、今の世界を見てどういう歌を歌うのだろうか?と考えてしまいます。

 

本年が皆様にとってよい年でありますように。

 

ペットと共に健康な生活

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、院長です。

 

このブログを読んでくださっている方の中にも、ペットを飼っている方は結構いらっしゃるのではないかと思います。我が家ではフレンチブルドックの女の子(ぽてと 1歳10か月)が暮らしていますが、毎日とても癒されています。帰宅して、ぽてとが『おかえり~!』と飛び跳ねてきてくれると一日の疲れが吹っ飛びます。

 

ところでペットを飼うと心が豊かになるだけでなく、健康にも良い可能性があることはご存じでしょうか?

 

今回は、身近な存在である犬と飼い主の健康の関係についての大規模な臨床研究をご紹介します。
Mubanga M, Byberg L, Nowak C, Egenvall A, Magnusson PK, Ingelsson E, Fall T. Dog ownership and the risk of cardiovascular disease and death – a nationwide cohort study. Sci Rep. 2017 Nov 17;7(1):15821. doi: 10.1038/s41598-017-16118-6. PMID: 29150678; PMCID: PMC5693989.

 

これまでも、いくつかの研究で犬を飼うことと死亡率の調査が行われていましたが、この研究の強みはそれまでの研究とは比にならない対象者の数であることです。

 

スウェーデンで行われた約340万人のデータを抽出したこの研究によると、犬を飼っていない方と比べて、犬を飼っているすべての世帯の方であらゆる原因での死亡リスクが低く、さらには、犬を飼っている一人世帯の方では心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞、心不全など)のリスクが顕著に低いという結果でした。
具体的には、犬を飼っている1人世帯の群では、犬を飼っていない群と比べて死亡リスクが33%、心血管疾患に関連する死亡のリスクが36%低くなっていました。さらに、犬を飼っている複数人の家族がいる世帯では、犬を飼っていない群と比べて死亡リスクは11%、心血管疾患に関する死亡のリスクは15%低くなっていたという結果でした。

 

犬を飼うことでの死亡率低下の理由としていくつかの要因が考察されています。

  • 社会的孤立、うつ病、孤独などの心理社会的ストレス要因の軽減
    心理社会的ストレスが、心血管疾患、およびすべての原因による死亡のリスクの増加に関連していることはすでに多くの研究で報告されています。そして、これらのストレスは犬の飼い主では低いことがいくつかの研究でこれまでに報告されています。
  • 副交感神経系の活性と交感神経系の抑制
    犬と触れることで、リラックスしたときに亢進する副交感神経が活性化され、興奮したときに上昇する交感神経系が抑制されることが示されています。また、ストレスに対する反応性も低下することが報告されています。
  • 運動量の増加
    心理的側面に加えて、身体的にも犬を飼うことのメリットがあります。飼い主はより多くの時間を屋外で費やし、身体活動が増えることは明らかです。さらには、飼い主が病気で入院した場合にも、犬と散歩に行くことをモチベーションとしてリハビリテーションに励むことが出来ることも示唆されています。(一方で、この研究での注意点として、犬を飼おうとする方々はそもそも健康問題が少なく、身体的活動度が高い可能性があることは結果を解釈するうえで注意が必要であることも述べられています。)

 

 

今回の新型コロナ感染拡大での自粛傾向で、犬を含めたペットの需要が高まっているそうです。確かに自粛生活において、私自身も犬の存在意義の大きさを実感する日々です。愛犬“ぽてと”と共に、精神的にも身体的にも健康であり続け、患者様、病院のために今年も頑張っていこうと思います。

 

 

 

私の趣味の話

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、超音波課です。

 

今回は、少し趣味の話です。

バイクの種類ってたくさんありますよね。
スクーターから、スーパースポーツ、ネイキッド、アメリカン、ツアラー、アドベンチャー、オフロード、ビッグスクーター、と、、最近だと、レトロクラシック、ストリートファイターみたいな。

と、ここで個人的に気になっているジャンルで、モタードと言うのがありまして、、
オフロードモデルをベースに、オンロードタイヤを装着したバイク。もともとは、ダート(未舗装路)とアスファルトが混ざり合ったコースを使ったレース・“スーパーモタード”で使われていたマシンが起源と。
オフロードモデル譲りの軽量な車体と扱いやすいエンジン特性、アップライトなポジションなども相まって、街中やワインディングをキビキビと走ることができるのです。

 

超音波検査も領域がありまして、消化器領域、循環器領域、婦人科領域、泌尿器領域、血管領域。
超音波検査は、依頼の種類も多くいろんな場面に出会います。その為、幅広く勉強が必要で臨床の現場で経験もしなければいけません。

 

個人的には、モタードバイクのように、なんでもフットワークよく、こなせるような技師になれたらいいなぁと思っています。

 

ああ、バイク欲しい。

 

圧倒的なチーム力

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
新年あけましておめでとうございます。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
外来処置室です。

 

「圧倒的なチーム力」

 

当院の掲げている病院理念ですね。
困難な状況下や、チームで何か目標を成し遂げる時、この理念はとても重要になってきます。

 

私事で大変恐縮ですが・・・。
昨年、息子の在籍する野球チームが近所の地区大会で見事優勝しました!

 

コロナ禍でなかなか練習が出来ない上半期でしたが、そんな困難にも負けず、感染対策を取りながら楽しく野球を続けてきた子供達。そんな中での優勝。「圧倒的なチーム力」で一つの大きな目標を成し遂げた子供達の屈託のない最高の笑顔は周りの大人に元気を与えてくれました。(^^)

 

今まさに病院は転換期を迎えていますが、チーム外来もスタッフ一人一人が力を合わせて「圧倒的なチーム力」を発揮し、温かい医療を提供出来るよう日々患者様と向き合っていきたいと思います。(^^)

年末 vs 年始

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、眼科です。

 

突然ですが、皆様は年末と年始とどちらが好きですか?
年末はバタバタ、年始ゆっくりという方が多いのでしょうか?
かくいう私は圧倒的年末派です。
どうして年末派かと言いますと、あの静けさが大好きなのです。クリスマスが終わり、年始に向けて小休止と言わんばかりに街は急に静けさを取り戻す、あの瞬間がたまらない。
街は年末と年始で違った見え方がする気がします。年始はすっきりと青色、年末は深緑のイメージでしょうか。年始の青も好きなのですが、私には、やっぱり深い色が落ち着きます。

 

仕事を納めた後の忘年会(今年は感染対策で出来ませんが…)、皆、銘々の飲み方をし、勘定をすませ、居酒屋から出て行く。明かりの少なくなった年末の夜に、じゃあまた、来年も宜しくねという言葉が吸い込まれて消える。
1人になり、しんと静まり返った街を歩いていると、冷めた空気で酔っ払った頭が少しずつ覚めていく。ふと顔を覗かせる寂しさに、今年もありがとうございました、また来年も宜しくお願いします、とお礼を言って新年を迎える。その感じがたまらなく好きでした。

 

去年の暮れには、令和二年、まさかこんな年になるとは思いもよりませんでした。
すっきりとした青色には程遠く、曇り空はまだ続きそうですが、いつかまた晴れる事を信じて頑張っていこうと思います。

皆様もご自愛下さいませ。

冬の乾燥

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、2階病棟です。

 

最近朝は特に寒くなり、すっかり冬になってきましたね。
前回のすっかり秋ですね、と言ってからが早い…今年の天気は変な時期に暖かかったりしていたので、例年通りの冷え込みと言われてもこんな寒い?と思ってしまいます。

冷えてくると宿敵は乾燥ですね…
皮膚もカサカサ、今年は感染対策でより頻繁に手洗いを心掛けており、ますます手荒れ対策が大変です。
スタッフがハンドクリームを塗っている姿をよく見かけます。
みなさまも手洗いうがいに消毒・マスクに換気!
そしてハンドクリームもお忘れなく、保湿もお忘れなくお過ごし下さい。

 

流行語にもなりましたが、もう一度基本の3密(密閉・密集・密接)をさけ、みなさま冬を乗り越えましょう。

楽しいクリスマス会

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様
こんにちは、保育所です。

 

寒くなってきましたが日頃、手洗い・消毒・マスクをしているから(?)なのか、まだ咳や鼻水が出ている子はいません。この調子で寒い冬を乗り切りたいです。

今年も保育所内はクリスマスの飾り付けをして、年内最後のイベント、『クリスマス会🎄』を行いました。

保育所クリスマス飾り保育所クリスマス飾り2

今年は腰みのとハイビスカス🌺のレイを付けて『バナナの親子🍌』を踊りました。
小さい子ども達が腰を振って踊る姿はとっても可愛いかったです💕

クリスマスダンス衣装

サンタさんがプレゼント🎁を持って来てくれましたが、2名以外大泣き😭でした💦

でも、楽しい一日を過ごすことが出来ました。

ある本の話題

森下記念病院スタッフブログをご覧の皆様、
こんにちは、医療福祉相談室です。

 

コロナ禍で1969年に翻訳された本でアルベール・カミュの代表作がベストセラーになっていると聞き、読んでみました。

「ペスト」です。

ペストといえば私にとっては大昔に流行した疫病というイメージでした。この本を読むと驚く程に現在世界中を恐怖と混乱の渦へと陥らせている新型コロナウイルスと似ています。もちろん致死率や医療の進歩は大きく違うのですが、人々はいつの時代も感染症という不条理を前にすると見えざる恐怖に振り回されてしまうようです。

相談室にも訪問看護や訪問リハビリから報告書が届くのですが、他者との接触を避けるため、サービスの利用を見合わせている、再開未定などの記載があると行くか行かないの選択を迫られているのも辛い判断ですよね。

まだまだ先が見えないコロナ禍ではありますが、インフルエンザの季節とも相まって、うがい、手洗い、マスクでなお一層の予防を心がける日々です。

慢性腎臓病(CKD)への当院の取り組み③
~腎代替療法(腎移植、腹膜透析、血液透析)選択外来について~

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。

 

当院では以下の3つの柱でCKD診療に対して取り組んでおり、本日は③腎代替療法選択外来についてご説明させていただきます。
①CKD保存期外来
②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携
③腎代替療法選択外来

 

③腎代替療法選択外来
開設の背景

  • 従来の医師の外来診察だけでの腎代替療法の選択肢提示には時間的な制約がある。
  • 医師に対する遠慮などから、十分な話し合いの下で患者さんとそのご家族が主体的に意思決定をしているとは言い難い状況にあることが想定される。

開設の目的

  • ライフスタイルや生きがいを尊重し、話し合いを重ねて共同で腎代替療法の選択ができるよう支援する。
  • 計画的な透析導入により心構えや、家庭や職場での役割を続けるための体制を整える準備ができる。
  • 自身で選択した治療は受容しやすく、セルフマネジメントを含めて前向きに治療に望めるようになり、治療成績を向上させる。

 

このような背景と目的をもとに、腎代替療法選択外来を開設いたしました。
腎代替療法選択外来は、CKDが進行し、1-2年以内に腎代替療法が必要となりそうな患者様に向けて、前々回のブログでご紹介した保存期外来と併せて開設した外来です。この外来の基本となる概念が共同意思決定:Shared Decision Making(SDM)であり、これについて詳しくお話しさせていただきます。

 

わが国の医療業界において20-30年前までは、治療方法の選択に関してパターナリズム(paternalism 日本語訳:父権主義)という概念が浸透していました。パターナリズムとは、強い立場にある者が弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することであり、臨床現場では強い立場の医師が患者さんの保護者的な役割で治療法決定が行われているという風潮がありました。この風潮は医師>患者さんという強弱の関係があれば成立していたと思われますが、次第に患者さんの意思が尊重されるべき、という問題点が浮き上がってきました。

 

この流れに対して、パターナリズムに代わり台頭した概念が患者自己決定であり、“インフォームドコンセント”や“インフォームドモデル”と称される概念です。これは、医療者側が医学的情報を提供し、“患者さん“が治療法を決定するモデルです。医師は治療法について患者さんに説明しますが、決定するのは患者さん本人であるということで、意思決定が分業型されています。この風潮によって、パターナリズムの時代に比べて患者さんの意思が尊重されるようになっていきましたが、患者さん自身の知識の習得具合や医療者との情報共有の不十分性などを原因に、意思決定においてまだまだ患者さんが脆弱であるケースも多々あり、患者さんの真意とは言えない事態に陥ることも見られました。

 

そこで登場してきた概念が、SDMです。これは、医療に存在する不確実性(どの治療法が個々の患者様にとって最良なのかが決まっていないこと)に対して、患者さんの生きがいや生活環境などの価値観、今利用できる医療の最善のエビデンスと情報、医療者の知識と経験を考慮しながら医療者と患者さんが協働で最善の治療方針を決定していく概念です。SDMでは医学的な見解やエビデンスは勿論のこと、さらに医療者の経験、そしてなにより患者さんの価値観や背景を十分に考慮することが特徴です。この過程を踏むことで、患者さんの満足度、自己管理能力、日々の生活、治療成績が改善することが報告されており(Helping people share decision making. A review of evidence considering whether shared decision making is worthwhile: https://www.health.org.uk/publications/helping-people-share-decision-making)、加えて、医療者と患者さんの信頼関係を強固にすることも期待されます。

 

医療技術は日々進歩しており、治療法の選択肢は増えていく一方で、患者さんごとに異なる多様な価値観を考慮して満足のいく治療を継続し、治療成績を向上させ、より豊かな生活が送れるように支援することの重要性は昨今増してきています。当院では腎代替療法選択外来を開設するにあたり、この概念はとても重要であると考えました。開設以降SDMに基づき十分に時間をかけて腎代替療法選択外来を行っており、実際に当院でSDMを介して腎代替療法を選択され、透析を開始されている方々は比較的満足されて治療を継続し、セルフマネジメントも習得されている印象を受けています。

 

当院では常勤腎臓専門医3名、透析専門医4名の体制に加えて透析看護認定看護師、慢性腎臓病療養指導士、腹膜透析認定指導看護師、理学療法士、栄養士、薬剤など多角的に介入を行い、腎臓病・腎不全に注力する病院としての体制を強化しています。当院は相模原市に位置しますが、相模原のみならず、すぐ近隣の町田市、大和市、座間市などの範囲からの患者様も通院されています。引き続き、この地域の患者様が豊かな生活を送れるように支援できるよう、努力を続けてまいります。

慢性腎臓病(CKD)への当院の取り組み②
~CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携~

森下記念病院のスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは、院長です。

 

前回お伝えしたように、当院では以下の3つの柱でCKDに対して取り組んでおります。

①CKD保存期外来
②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携
③腎代替療法選択外来

 

今回は、②CKD連携パスを用いた地域のかかりつけの先生方との連携について解説していきます。

 

まずは、CKD診療にあたっては腎臓専門医の早期介入が重要となることを前回にもお伝えしていますが、その内容をこれまでのいくつかの報告を交えて少し詳しくお伝えします。

 

CKD対策の評価 -年齢調整透析導入率は低下したが、透析導入患者数減少は未達成― 若杉三奈子, 成田一衛. 日腎会誌 60: 41-49; 2018.

日本腎臓学会誌で紹介されているこちらの研究では、2002年に慢性腎臓病(CKD)が国際的に定義されたのち、2004年以降に日本腎臓学会発信のCKD対策が浸透してきていること、2008年に厚生労働省から「今後の腎疾患対策のあり方について」が発表されたことなど、全国的にCKD対策を進めてきた結果として新規透析導入者数が減少したかを調査しています。この結果、高齢化の要因があるため透析導入率は男性では横ばい(女性は減少)でしたが、年齢調整透析導入率は全体で低下傾向にあるという結果でした。これには病診連携によるCKDの早期発見・早期治療例の増加、CKD治療中断例の減少、生活習慣改善によるCKD進行抑制が導入率の低下に寄与していることが考察されています。

 

Longer duration of predialysis nephrological care is associated with improved long-term survival of dialysis patients. Jungers P, et al. Nephrol Dial Transplant 16: 2357-2364; 2001.

この研究ではフランスで透析導入となった1057人を対象に、透析導入前の腎臓専門医の通院期間を6か月未満、6か月から3年未満、3年から6年未満、6年以上の4つのグループで導入時の状態と導入後の生命予後を比較しています。結果は、透析導入時に血圧や貧血の管理は腎臓専門医への通院期間が長いグループで良好となっていました。さらに、腎臓専門医への通院期間が長いほど、緊急透析導入が少なく(→計画的な導入により身体的負担が少なく、入院期間が短い)、透析導入後3か月後、1年後、5年後の生命予後も良好という結果でした。

 

Ideal timing and predialysis nephrology care duration for dialysis initiation: from analysis of Japanese dialysis initiation survey. Yamagata K, et al. Ther Apher Dial 16: 54-62; 2012.

わが国で行われた研究のなかでも、腎臓専門医への紹介から透析導入までの期間と透析療法開始1年後の生存率の関連が調査されています。日本で透析導入した患者9,790人を対象として分析が行われ、様々な因子(併存疾患など)を考慮しても、透析導入に至る6か月以上前に腎臓専門医に紹介された患者のグループで、有意に生命予後が良好でした。

 

これらの結果から、CKD進行抑止は勿論のこと透析導入後の生命予後改善のため、早期から腎臓専門医による教育的介入の意味を含めてなるべく早めの段階から、かかりつけのクリニック等での診察に併せて腎臓専門医の診察を受けることが望ましい、ということがわかるかと思います。さらに付け加えると、早期腎専門医の介入は、透析導入後のQOL(Quolity of Life)や精神健康度の上昇にも関わっていることが報告されています。

 

当院では、かかりつけの先生方からの紹介の過程がなるべくスムーズかつ煩雑にならないように、そしてご紹介後にどのようなスタイルで連携して患者様を診察していくかの方針をたてやすいようにCKD連携パスを作成しました。

 

これは従来の情報提供書(紹介状)とは少し異なり、現在の状態確認や合併疾患、併診形式の希望などをチェック項目や決められた書式を用いて、よりスムーズに患者様を腎臓専門医擁する当院とかかりつけの先生方が連携をとれるように工夫したものになっております。地域の開業医の先生方や腎臓専門医を擁さない医療機関にお配りをし、またホームページ上からダウンロードして印刷していただくことも可能になっています。

 

当院では腎臓専門医の常勤3名(+非常勤1名)体制で、月曜日から土曜日まで当院の診療時間内であれば、いつでも紹介受診が可能です。CKDを抱える患者様にとって、よりよい人生を送っていただくことが出来るように、お気軽にご紹介、ご相談をお待ちしております。